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クセナキス作曲 テルレテクトール
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演奏開始前
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どうやら青い座席が演奏者、白い椅子が聴衆席、ということみたいですね。 -
こんな風に座るわけです。
黒丸のところは演奏者で、ちっちゃな点々は聴衆です。
指揮者は真ん中で指揮します。
小さすぎて見えないという方は下記のリンクを。 - olats.org - Pionniers & Précurseurs - IANNIS XENAKIS - Disposition de l'orchestre dans Terretektorh新規タブで開く
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曲名です。作曲者はオーケストラを「ソノトロン」つまり「音響加速器」にするという意識を持って書いたようです。 -
ぐちゃぐちゃですね。聴衆のセキュリティチェックは厳しかったのかな? -
指揮者はクセナキスの曲に積極的に取り組んでいるあの、アルトゥーロ・タマヨですね。 -
こ、これって耳栓?トランペットの真ん前に座ってしまった人用とか? -
指揮者タマヨ登場です。 -
いよいよ演奏開始
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曲はここから始まります。
が、なぜかカメラはこのチェリストのみ撮影します。
全体像をご覧になりたい方は別の動画がありますのでご安心を。 -
こちらの動画では全体が見渡せます。異なる演奏会のようですが
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Iannis Xenakis - "Terretektorh" für Orchester - Cresc... Biennale für Moderne Musik
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まったりとした始まり
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始まってすぐ、一つの音程がずーっと鳴っているので、なにこれ?と思われる方も多いでしょう。
ライブで聞かないと決してわからないのですが、一つの音がさまざまなところから聞こえ、移動し、立体的な音空間を作り出しているのです。
マラカスの音も聞こえますね。
しばらくたつとチェロも活気づいた激しい音に加わります。打撃音もどこからか聞こえてきます。
はじめは少し退屈に聞こえるかもしれませんが、だんだん面白く(?)なるので辛抱してください。 -
流れに変化が出始める
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このあたりからようやく様相が変わってきます。
画面が変わらなくてすみません。
音はかっこう良くなっていくのですが。 -
先ほどからパチパチという音が鳴っています。隣にいるフルート奏者が今手に持っています。チェリストもグリッサンドで応じた後、パチパチに参加します。 -
奏者の苦労
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これがパチパチの正体。この音が所狭しと飛び交います。 -
パチパチの後はマラカスです。忙しい。
チェリストなのに。細かい振り方。しばらくマラカスが続きます。
これもライブだとたくさんのマラカスが鳴っていて、立体的な音の広がりが聞こえるはずです。 -
もう何とかして~
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おそらくウッドブロックのようなものを叩いていると思うのですが。
人使いの荒い作曲家ですね。 -
やっと本業に戻してもらえます。 -
今度はサイレンのような笛を吹き始めます。
子供の頃にヒューヒュー笛みたいのがありましたが、その楽器版です(Acme siren)。
相当力を入れて吹いているようです。
この場面では隣のフルート奏者も同じ笛を吹いています。
オーケストラのかなりのメンバーが吹いているはずですので、相当迫力のある「音響加速」効果が感じられるでしょう。 -
これです。 - Acme siren - Wikipedia, the free encyclopedia新規タブで開く
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ウッドブロックを叩きます。そこかしこから聞こえてきます。
やっぱりライブで聞きたいですね。 -
忙しいー。
向こう側の奏者にも注目。
「僕はチェリストなんだ!」「私はフルーティストよ!」
一人に一体いくつ楽器を持たせるんでしょう。
クセナキスは最高に人使いの荒い作曲者ではないでしょうか?
実は数でさらに上をいく作品もあるんです。 -
ほら~、こんなに一杯割り当てるから。プロでさえ間違っちゃうんですよ。
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この後、痛恨のミス。ウッドブロックの向きが違って音が出てない?
すぐ気づいて向きを変えますが、明らかに苦笑いしてますね。
というかそのあと声出して笑っちゃってますね。 -
お疲れ~
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曲が終わってガッツポーズ。奏者には 相当過酷な難曲のようです。
達成感が半端ないのでしょう。「やったぜ!」
名曲の中には演奏する側には面白みがないものもあると聞きますが、この曲は違うようですね。
クラシックの演奏家が演奏会でガッツポーズをしているのを見ることはまずないでしょう。 -
曲が終わり、起立してあいさつ。座っているのが聴衆です。 -
これって音楽なの?
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受け取り方によって違うでしょう。
ですがライブで体験すると、音楽かどうかといった議論は吹き飛んでしまうでしょう。素晴らしい「音体験」ができるでしょう。
残念ながらこの曲そのものは生で聞いたことがありません。
ぜひいつか聞いてみたいものです。 -
類似した編成の「ノモス・ガンマ」という曲を高校生の時に聞きました。
ステージバージョンだったので、オーケストラはステージ上に半円形に並び、聴衆は客席で聞く形態で「本式」ではありませんでした。
それなのに、いつまでもこの音の渦の中に浸っていたいと思ったのはよく覚えています。 - ついにアマオケでノモス・ガンマ : Hiroaki OOI Official Blog新規タブで開く
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人使いの荒い作曲家クセナキスのテルレテクトールを演奏するチェリストの奮闘【動画】
この曲は現代音楽の最先端を行っていた一人、クセナキスの1960年代の作品です。
何とオーケストラは円形に配置され、聴衆のその中に混ざって聴く、という普通あり得ない演奏形態です。
奏者がとっても忙しいのがわかります。ミスもあります。人使いの荒さではこの上を行く曲もまだありますが、終わってからのガッツポーズ(やり遂げた!)とシェイクハンドがなんとも言えません。
同様の形態で作曲された「ノモス・ガンマ」という名曲がありますが、演奏の困難さからか滅多に聴くことができません。曲調は全く異なります。
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