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なんと、オオカミと愛犬は楽しそうに遊び始めたのです。
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野生のオオカミがこのような行動を取るのは大変稀なことだそうです。
自然写真家という仕事の中で多くの動物を見てきたニックさんでしたが、彼にもこの展開は読めませんでした。
野生動物は警戒心が強く、見知らぬ動物や人間が縄張りに入ってしまうと威嚇したり攻撃したりするのが常識といわれています。
しかし、この野生のオオカミは初めて会った愛犬とすぐに打ち解け、長い間楽しそうに遊んでいたそうです。
これがきっかけになったのか、この黒いオオカミは頻繁に姿を現すようになりました。
ニックさんは、そんなオオカミのことを観察して記録をとることにしたのです。
ニックさんはこのオオカミを「ロメオ」と名付けました。
ロメオは次第に近隣の住民たちとも打ち解けて行いったそうです。
多くの人や動物と仲良くなったロメオ。
そんなロメオはいつの間にか街のシンボルのような存在になっていました。
普通のオオカミと違い、ロメオはなぜこんなに友好的で優しい性格をしていたのでしょうか。
ニックさんは、恐らくロメオは長らく群れから外れて生活していたことが原因なのではないかと分析しています。 -
街の人々や犬と戯れるロメオ。
6年間という生涯を終えるまでの長い間、ロメオは一度もトラブルや喧嘩を起こしたことはなかったそうです。
ロメオが亡くなった後、街の人々は彼のことを想って記念碑を立てました。 -
優しい性格で、多くの人々の心をつかんだロメオ。
彼自身も長らく群れを離れていたことで寂しさを感じていたのかもしれません。
アラスカに住む写真家と、1匹のオオカミのエピソードでした。 -